洋服選びで、損していませんか?
参考になります!⬇︎⬇︎^ ^
「脱・ジャストサイズ」で体形をキレイに見せる!
2020年7月9日 09:04ハルメク
若い頃とは体形も変わり、何をどう着ればいいのかわからない。そんな迷える50代からの大人女性に向けて、理論派ファッションデザイナーとして名高い横森美奈子さんの「おしゃれ塾」連載がスタート! 今回のテーマは「サイズ選び」です。
的確なアドバイスをしてくれる、ファッションデザイナーの横森美奈子さん
無意識のうちに自分の服のサイズを決めつけ過ぎていませんか? それって実は、とても損しているかも。なぜならサイズの選び方で、体形の弱点や全体のスタイルをよく見せることができるのですから!
みなさん、サイズに対して意外と決めつける傾向があるんですよね。もう少し柔軟に捉えれば、簡単にカッコよく見えるのに!
世代関係なく多い傾向なのですが、とても歯がゆく感じています。まるで「体が入るかどうか」をサイズの基準にしている感じ。
「私はMサイズ!」といったん決めたら、ブランドやアイテムが違ってもMを選ぶ人が多いようですね。でも、実際はメーカーによってサイズは異なるものなんです。
横森理論で言うと“サイズはデザイン”。私たちの背中に数字が付いているわけじゃないんですから、数字や表示に捉われず、“自分の体をどう見せたいか”で選ぶのがベターです。
「体にぴったりが好き」というジャストサイズ信仰の結果、二の腕の肉感が丸見えだったり、パンツも正面はよくても後ろ姿はお尻が二段で残念!だったり……。
それが、サイズアップすることでゆとりが出て体の弱点をカバーし、結果、全体のバランスもキレイに見えるようになるんです。
それに、今は“ゆるフィット”のシルエットが旬。1970年代はピタピタの細身がブーム、80年代はボディコン……など、時代によって流行のシルエットは変わるものです。
だからこそサイズ選びは、全体のバランスやカバーしたい部分を踏まえた上で、柔軟に対応すべきなんです。
「横森理論」を証明すべく、横森さん自らがモデルとなって検証してくださいました。
【NG:写真左】ただ体形に合うサイズはカッコよくない
「私はこの格好は絶対しないんです!」と、横森さんがあえて示してくれた例がこちら。普通に体が入るからとジャストサイズを着ると、体の弱点をそのままさらしていることに!?
【OK:写真右】トップスはゆったり、下半身はすっきり
ゆとりがあるシルエットで弱点を隠しつつ、首やひじ下など細い部分は強調するデザインでスタイルアップ。上半身の分量を大きく、下半身は小さく見せることで全体にメリハリがつきます。
さらに、「横森理論」を読者の長(ちょう)さんと実践してみました。
■挑戦した人
長こずえさん(65歳 162cm)
パンツにシャツ、どちらもLサイズという着こなしが定番。寒色系以外は着慣れないという苦手意識が高じて、クローゼットの中もワンパターン化しているそう。
50代からの大人世代が陥りがちなベーシックから抜け出せない、“おじさん予備軍”の着こなしを起点に、トップスのサイズや素材感を変えていくと、印象がどんどん変わっていくのがわかりますね。
ポイントは上半身のボリュームを大きくしてその対比効果で、下半身を小さく見せること。パンツの裾を上げることでコンパクトなシルエットにして、軽快さを演出。この“軽さ”というのも今の時代、大事なキーワードです。
首や手首、足首は万人にとって“着やせポイント”なのでどんどん見せましょう!
キレイ色のニットもジャストサイズでは、腰のハリが目だってしまいます。2サイズアップすると、上半身にボリュームが出て、お腹や二の腕をしっかりカバーできます。
Tシャツも、ジャストサイズでは「ただ着てるだけ」という印象に。
ゆったりサイズと簡単アレンジを覚えれば、Tシャツもしっかりおしゃれ着になるんです。
元々Tシャツは、体にハリやキレのある若者ならではの服。50代以降の大人女性が着るなら「真っ白など、下着に見える色・形を選ばない」、「ゆったりサイズを選び、裾は安全ピンで簡単ブラウジング(丸で囲んだ部分)」、「小物を足しておしゃれに」などのポイントを忘れずに!
今回、じっくりと丁寧にサイズやシルエットの違いをお見せしたのは、その選び方次第で“体形操作”ができるからです。
ぽっこりお腹など、気になる部分は“隠す”のではなく、全身のバランス操作で処理した方が有効なんです。
こういう理論を知ったら、本気で試着することの大切さがわかるでしょう?
ブランドによってもサイズ感は違うのだから、いつものサイズではなく試着してちゃんと見てみる。必ず全身鏡から離れて(1.5mくらい)正面や横姿、後ろ姿もチェックします。
その結果、どのサイズ、シルエットが自分の体を一番キレイに見せてくれるのか。そうやって努力するだけで私のようにLLサイズでも、スリムにカッコよく見せることができるんですから(笑)。
取材・文/児玉志穂(ハルメク編集部) 撮影=元木みゆき ヘアメイク=梅沢優子
※この記事は雑誌「ハルメク」2019年8月号に掲載された内容を再編集しています。
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